ブランディング、ブランド…、などよく聞く言葉ですね。それらは広告やプロモーション、単なるイメージづくりの技、あるいは大企業やBtoCにふさわしいと思われがちですが、実はそうではありません。ブランドとは経営の根幹をなす概念であり、ブランディングとは経営そのものです。業種、業態、規模、組織形態は関係ありません。
ブランディングとはその組織固有の価値であるコンセプト、言い換えればその組織の「宝」である「固有のらしさ」を探りあて、それに基づいて事業活動を行うことです。
この本はブランディングにより、ある地方私立大学の経営改革に挑んだドキュメンタリーです。ブランディングの学術書でもなければいわゆるコンサルタント本でもなく、あるいは現場の担当者が自らの経験をもとに書いた本でもありません。ブランドの研究者であり、コンサルタントであり、実践者でもある著者がブランディングを進めるうえでの理論、実践、そして現場の息遣いを綴ったものです。この本の各章は「ドキュメンタリーパート」と「解説パート(ブランディングのポイント)」により構成されています。初めての人でもわかりやすく、なじみやすく、そして勇気をもって第一歩を踏み出すことができる、いつのまにかそんな気になる本です。
なお、この大学はブランディングを本格的に行なった結果、少しずつ成果を挙げ、2019年には大学界として初めて「Japan Branding Awards 2019」(インターブランド主催)を受賞しました。
まず、とても親切丁寧な対応です。電子出版は初めてですが、一度も戸惑うことがなくスムーズに出版できました。また、出版を予定している皆さんとのオンラインミーティングは全体的にフレンドリーで楽しい時間を過ごすことができました。
【出版したことでのビジネス変化】
同タイトルの本の前編を2023年11月に出版し、今回の本はその続きの後編です。ブランディングによる大学組織の改革をテーマとしていますので、大学の職員、教員の方から直接問い合わせがありました。オンラインでのミーテングはじめ、ブランディングをテーマとしたセミナーを開催(複数の大学から)することになりました。
上條 憲二
上條 憲二(かみじょう・けんじ)
愛知東邦大学経営学部教授
日本ブランド経営学会会長
日本マーケティング学会評議員
早稲田大学第一文学部卒。外資系広告会社執行役員を経て、世界的なブランドコンサルティングファームであるインターブランドの日本法人でエグゼクティブディレクターとして企業のブランド戦略に携わる。その間、大手住宅メーカー、ゼネコン、自動車会社、旅行会社、航空会社、放送局のブランド戦略を担当。
2014年より現職。研究者であり、コンサルタントであり、現場の実践者という「3in1の存在」として、「ブランドをマネジメントするのではなく、ブランドでマネジメントする」を趣旨とした「ブランド経営」の重要性を日々説いている。
「日本ブランド経営学会」の会長を務めるとともに、日本マーケティング学会・リサーチプロジェクト「健康経営ブランディング」研究会メンバーでもある。
主な著作として、『ブランディング7つの原則』(2012.7日本経済新聞出版 共著)、『21世紀のマスコミ 広告』(1997.9大月書店 共著)『超実践!ブランドマネジメント入門』(2022.2ディスカヴァー・トゥエンティワン 単著)、『ブランディングによる経営改革挑戦』(2023.11Kindle 単著)、『まちがう人』(2019.7 ダイヤモンド社 単著)がある。