『中絶のスティグマをへらす本 「産まない選択」にふみきれないあなたに』―出版事例
Amazonカスタマーレビュー評価 5件すべて5つ星(2022年6月2日時点)
目次
はじめに
1章 中絶を選択するのはそれが必要だからです
2章 あなたが人生の主役です
3章 中絶のスティグマは外からくる
4章 アンラーニングのすすめ
5章 今のあなたの気持ちを確めてみましょう
あとがき
この本は、「産まない選択」にふみきれなくて困っている人のために書きました。意図しない妊娠をして悩む女性の多くは、「中絶」を罪悪視する社会の見方を内面化して、「選びたいけど選べない」苦しい状況に置かれています。本書では今の日本社会にある「中絶」にたいする強い偏見やスティグマが外から来ていることに気づき、自分にとって何がたいせつであるのかを見定めるアンラーニングの方法を示します。
中絶と流産を経験して40年。最初は「私が赤ちゃんを殺した」と自分を責めてばかりいた私が、「中絶への思い込み」をどうやって乗り越えてきたのかを振り返り、どうやって人に伝えていこうかと考えました。その末に、「アンラーニング」というコンセプトに出合ったのです。
約20年間、中絶問題を研究してきて、今の私にクリアに見えていることがあります。それは、中絶に対する見方は、社会や文化や時代によって違うということです。中絶への罪悪感は何もないところから湧いてくる感情ではありません。中絶を経験した人が罪悪感を覚えてしまうのは、中絶を罪悪視している今の日本社会の通念を内面化しているためなのです。「アンラーニング」は、「常識」だと思い込んでいたことを、「正しい知識」で塗り替える作業です。
この本を読むことで、今、妊娠をして困っている人たちは、中絶に対する罪悪感や嫌悪感が薄れていくのを感じることでしょう。そうすれば、自分の正直な気持ちに従って真の選択をできるようになるはずです。「産む」ことも「産まない」ことも、あなたの人生の大きな分岐点になります。この選択であなたの人生を豊かなものにできるかどうかはあなたしだい。本書はそんなあなたを応援しています。
さらにまた、今、苦しんでいる人を支えたいあなたにも読んでいただけたら、とてもうれしいです。
VM出版スクールは、出版に全く関わったことのない人でも、手順を踏んでいけば本を出せる優れたシステムだと思います。また、出版の経験がある人でも、電子書籍という媒体を使いこなせるようになるための最小限の知識をコンパクトに得られる内容になっています。
言いたいこと、伝えたいことがあるけれど、なかなか文章にまとめられずにいる人には、頭の訓練にもなりますし、通常は出会えなかったような講師や同期の人々との交流も刺激になりました。
スクールで出す本の文字数が限定されていることは、かえってメリットで、不必要なことをだらだら書いてしまいがちなライターには、コンセプトに合わせて言いたいことをギュッと絞っていく良い訓練になるかもしれません。
AIを使った校正も初めての経験でしたが、自分の文章のクセに気づかされました。読みやすい本の文体を学ぶためにも役立ちました。
=【本を出したことで、ビジネスにどんな好影響がありましたか?】=
今のところ、この本を出したことでの直接的な影響はあまり感じていませんが、従来、私の本の読者層ではなかった人たちにも読んでもらえる本になったのではないかと感じています。また、VM出版スクールで、本を出すことをめぐる基本的な考え方や電子出版のノウハウを学び、Kindleで実際に電子書籍を一冊出版するのを経験できたこと自体が、今後、私にはとても便利なツールになるだろうとも強く感じています。
私は従来の出版社を通じた紙媒体での書籍出版をいくつも経験してきました。しかし、当然ながら、通常の本は一定数売れる見込みがないと企画は通りません。出版に至るまでの経費が莫大にかかるためです。特に、学術書の場合には、労力と印税が全く見合わず、何年もかけて作った本を出版するために、費用も持ち出しになるのが通常でした。さらに、紙の本は間違いがあっても修正するのが困難で、改版まで何年間も間違いがそのまま流布されてしまうという問題もありました。でも、Kindleの出版の場合には修正も最新情報への更新も簡単であり、編集者があいだに入ることもないので、自由度が非常に大きいというメリットがあります。表紙をデザイナーさんに自分で依頼してやり取りしたのも楽しい経験でした。
その分、自分の力量がそのまま本に反映されている恐ろしさもありますが、たとえ失敗してもロスを最小限に抑えられる媒体だとも思うので、これからもいろいろチャレンジしてみようと思っています。
塚原 久美
塚原久美(つかはら くみ)
翻訳・執筆業を経て、2009年に金沢大学大学院で博士号を取得。2020年に「RHRリテラシー研究所」を設立し、中絶をめぐる国際情勢や日本の遅れについて発信。著書に『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ フェミニスト倫理の視点から』、訳書に『中絶がわかる本』『水子供養』など。