『カンボジアの義足工場へ飛び込んだ！』（上／下巻）―出版事例

この本は私が「まだ遅くない」と国際報道から赤十字へ転職し、カンボジアの義肢製作所で経験した「国際協力はきれいごとだけではない」日々の格闘をつづったものです。

時は1990年代の終わりごろ。当時のカンボジアは、ようやく内戦が終焉し、民主的な国になったばかりでした。恐怖政治を行った極端な共産主義のクメール・ルージュも北部に健在で、私が働いた義肢製作所にはクメール・ルージュの支配地からも多くの地雷被害者が義足を作りにやって来ました。雨期になると道路が陥没し、数か月間陸の孤島になるような村が多くありました。

ようやく得た支援団体での職です。しかし、意気揚々と現地へ向かった私を待っていたのは、工場運営をめぐる同僚との確執、労働意欲の低い現地職員、非効率な政府、クーデター…。私の数々の失敗をしながらも目の前の問題に取り組み、解決できたこともあれば、私の力では到底解決できないこともありました。

この本を通じ、「もう遅い」とあきらめている人、一歩踏み出せない人に「まだ遅くない」と励まし、夢をかなえるきっかけを模索している人の背中が押せたらうれしいです。少し自信を無くした人には、自分が輝いていた時のことを思い出し、もう一度、少しずつでも元気を取り戻してもらいたいと願いながら書きました。

人生をやり直すのではなく、修正するのでもなく、つぎ足したい人に読んでほしいと思います。

電子書籍を出版するやる気は十分でも、さてどうどうしたらよいのか分からないことだらけです。自分でゼロからあれこれ調べるには労力がかかり過ぎます。たどり着く前にエネルギーが残っていないかもしれません。自分の労力を書くこと、本の中身に注ぐことができる、それが一番大きいと思います。

【本を出したことで起きたビジネス変化】
自分の経験を体系的に文字で残すことができ、実績として認められたのが一番良かったと思います。私は非営利の団体に関わっており、ビジネスの売上は関係ないのですが、同じ分野で働く多くの方が参考になったと言ってくれました。電子版のあとペーパーバックも出版したので、年齢層の高い方々にも読んでもらえ、少なくとも発言力が増したと感じています。