『コンセプトドリヴン・コンプライアンス』―出版事例
◆Amazon「企業倫理」部門ランキング2位
『コンセプトドリヴン・コンプライアンス 担当者の9割が見落としている企業コンプライアンスの極意』
組織を動かせない企業コンプライアンス担当者は、法律やルールに人を従わせることで行動を変えさせようとします。これに対して、組織を動かす担当者は、人の共感を得ることで自発的な行動を促します。
両者の決定的な違いは、企業コンプライアンスのコンセプトがあるか否かです。それこそが、担当者であるあなたを含む人々の共感とモチベーションの源となり、組織を動かすのです。成果を出せる担当者になりたいのであれば、自分の中にコンセプトを持つことが何よりも重要だといえるでしょう。
コンセプトを見つけるには、法律知識の積み重ねとは全く別のやり方が必要です。逆に言えば、弁護士やベテラン担当者のように豊富な法律知識が無くとも、やり方次第で組織を動かせるのです。本書は、弁護士・元コンプライアンス担当者・ブランディング研究者の3つの経験から生み出された「組織を動かす担当者になるための11のワーク」をご紹介します。
(Amazon著書ページより抜粋)
この本には、コンプライアンスという仕事を成功に導く「シンプルでブレない考え方」に辿り着く方法について書かれています。私がこれまでに出会った優れたコンプライアンス担当者には、知識や経験とは異なるスキルがありました。それを分析し、誰でも身に着けることができるようなワークに落とし込んだのが本書です。
コンプライアンスに「仕事」として取組む人たちは「何をすればいいのかわからない」「何をやっているのかわからない」という悩みを抱えています。かつての私もそうでした。どうすれば、あの担当者のように自信に満ちた仕事ができるのか? 組織を動かして結果を残すことができるのか? を私なりに追求した結果が「コンセプトドリヴン」です。
「ルールで決まっているから」「社会がそうしろと言うから」という「他人ごと視点」を捨て、「自分(たち)は何のために存在しているのか?」「それによって、社会にどう貢献できるのか?」という「自分ごと視点」で考え直すこと。それまで法律やルールの「対象・客体」でしかなかった私たちがもう一度「主体性」を取り戻し、主人公になること。「コンセプトドリヴン」という手法には、そんな思いが込められています。
「コンセプトドリヴン」の良いところは、コンプライアンスの仕事以外にも幅広く応用できる「ライフスキル」になることです。「何をすればいいのかわからない」「何をやっているのかわからない」と悩んだとき、本書に書かれている「3つのWHY」の切り口で考えてみてください。きっと進むべき方向がハッキリと見えてくるでしょう。コンプライアンス担当者に限らず、多くの人に読んでいただけますと幸いです。
最も良かった点は、企画の“型”を身に着けることができたことです。それも、単に「あれを決める」「これを決める」といった表面的なものだけでなく、なぜその項目を決める必要があるのか? その項目にはどのような意図があるのか? その項目を考えるために、どのような視点が必要なのか? といったスキルを身に着けることができたのは大きな財産だと感じています。
スクールのカリキュラムの背後にある理論や考え方について、ネットや書籍などで見聞きしたことがある人もいると思います。私もそうでした。しかし、今回の出版を通じて「他人ごと」として見聞きすることと「自分ごと」としてそれらを実際に使うこととは全く違うのだ、ということを痛感しました。それと同時に、自分がこれまでに書籍から得た知識やノウハウについて、同じ「著者」の目線でもう一度考えるようになり、読書やスキルアップの姿勢が進化・深化したと思います。
【本を出したことで起きたビジネス変化】
1つ目の影響は、これまで取り組んでいた仕事を「本」という形にすることで、これまで以上に仕事の“解像度”が上がり自信を持つことができるようになったことです。お客様への説明の場面、セミナーや講演、営業の場面などで、自身の言葉に以前とは異なる“力”が宿るようになり、相手の心により深く響くようになったと実感しています。実際に、書籍がきっかけとなったセミナー、対談などの依頼が数多く来ています。これまでも単発の記事執筆などは数多く手掛けてきましたが、こうした影響・反響は初めてだったように思います。
2つ目の影響は、今回書籍化の対象とならなかった自身の仕事について、より主体的・戦略的に考えるようになったことです。自身の仕事を「もし、これを電子書籍にするとしたら…」という視点で見る習慣がつき、目の前のお客様(や読者)にとって、そして自分自身にとって本当に価値のある仕事にするにはどうしたらよいか? を意識するようになりました。主体的・戦略的になったことで、お客様ともより腹を割った話ができるようになり、お客様から「企業法務の仕事の仕方を見直したい」「もっとお互いがいい仕事をするにはどうしたらいいか」と言った戦略的な相談を受けることが少しずつ増えてきているように感じます。
弁護士 三浦 悠佑
三浦 悠佑(みうら ゆうすけ)
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士 第一東京弁護士会
日本ブランド経営学会監事。
企業不祥事対応、危機管理を中心に企業法務全般を担当後、大手国際海運企業グループで、不祥事再発防止プロジェクトに従事。帰任後は競争法・下請法、腐敗防止案件を中心に担当する傍ら、「コンプライアンス×ブランディング」の牽引役として、コンプライアンスによる企業の非財務価値向上に挑戦している。
コンプライアンスをテーマにしたセミナー、執筆等の実績多数。一橋大学商学部商学科卒業(組織論、ブランド論)。コンプライアンス担当者の情報交換ネットワーク“Re:houmu”主催。週刊エコノミスト「企業の法務担当者が選ぶ「頼みたい弁護士」13選」危機管理部門第3位(2021)、The Best Lawyers Governance and Compliance(2020~2023)。