この記事は、電子書籍出版で1冊以上の本を出した方向けに、「ペーパーバックもやったほうがいいかな?」 「ペーパーバックってどうなの?」という疑問にお答えするための内容です。結論としては、電子書籍にプラスしてペーパーバックもぜひやりましょう!なのですが、その理由をお伝えします。
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目次
Amazon Kindleペーパーバックで個人でも紙の本を出せる
これまで他の記事で電子書籍の可能性をお伝えしてきました。今後は市場もますます拡大して、電子書籍出版に参加する人は増加すると思われます。しかし読者さんの中には、それでも「本は紙がいい」と電子書籍に抵抗がある人や、アプリのダウンロードなどの操作が苦手な人は、あなたの本が電子書籍のみの出版だと興味があっても読むことができません。
これまでは、個人の著者が紙書籍を出版できるサービスはありませんでした。ですがついに、2021年10月から、Amazonで日本でも「Kindleペーパーバック」というサービスが開始されて、個人で紙の本を出版できるようになりました。
この記事では、電子書籍出版、ペーパーバック出版、それぞれのメリットを知って活用できる方法をお伝えしていきます。
電子書籍のメリット、デメリット
◆電子書籍のメリット
・いつでもどこでもすぐに買って読める
・本棚などの保管場所が不要
・文字のフォントやサイズを変えて読める
・気軽に線やメモを残せる
・書き込みをしても消せる
・暗い場所でも読める
・耳で聴く読み上げ機能もある
・検索、翻訳・文書内検索が簡単
・スマホでどこからでも読めて便利
・持ち運びが便利
・在庫切れや絶版がない
・読み放題などのお得なキャンペーンがある
・試し読みができる
・環境に優しく、エコである
◆電子書籍のデメリット
・あらかじめスマホやタブレット、Kindle端末を購入する必要がある
・スマホやタブレットから読む場合は、Amazon Kindleソフトのダウンロードが必要
・ブルーライトで目への負担がある(Kindle PaperwhiteやKindle Oasis以外)
・読みたい本が電子書籍では展開していないことがある
・友人や家族でも本の貸し借りはできない
・中古で売ることはできない
・中古で安く購入できない
・集中力が落ちる場合がある
読みたいときにすぐに購入しダウンロードして読める電子書籍ですが、まだその便利さをご存じない方も多いでしょう。いったん利用してみれば、一度に何冊も持ち歩けて、収納場所にも困らず、価格が安い、試し読みができるなどのメリットがわかるのですが、電子書籍を読むにはスマホやタブレットを購入し、アプリのダウンロードなどの準備が必要で、デジタルに馴染みがない人にとっては、難しく感じるのかもしれません。
(※Kindle PaperwhiteやKindle Oasis、Kindle FireなどのKindle端末であれば、アプリのダウンロードは不要です)
ですから、出版してより多くの人に読んでもらうために、紙の本「ペーパーバック」でも発売しておくとより販売機会につながるでしょう。
ペーパーバックとは?
ペーパーバックとは表紙が薄めのシンプルな作りの紙書籍のことで、ハードカバーのような「厚い表紙」や「本の帯」はなく、軽量で持ち運びしやすいのが特徴です。またペーパーバックには、ブックカバーがありません。AmazonのKDP では、3 種類のインク (白黒、標準カラー、プレミアムカラー)、2 種類の用紙タイプ (白とクリーム)、独自のサイズを含むさまざまな判型が用意されています。
ペーパーバックはソフトカバーとも呼ばれ、日本の出版業界では洋書に対して使用されることが多いです。 カバーのない、安価な紙で作られたシンプルな無線綴じの本(主に洋書に使用)をペーパーバックと呼んでいます。
とくにこのような場合には、ペーパーバックはおすすめです。
・多くの人に広く読んでもらえる本にしたい
・本の価格を安くするためコストを抑えたい
・ 気軽に持ち運べて、どこでも読めるような本にしたい
例:エッセイ集、生活に役立つノウハウ集、安価で多くの人へサービスを広めたいPR本などに使用。
これまでAmazon KDPでは、個人著者が紙書籍を出版できるサービスはなかったのですが、2021年10月から個人著者もペーパーバック(POD:プリントオンデマンド)を販売できるようになりました。
プリントオンデマンドとは、Amazonで注文時に1冊から印刷~製本~配送をしてくれるサービスです。
・ 在庫を抱えなくていい
・維持費もかからない
このようなメリットがあります。
そして電子出版をして原稿があれば、ペーパーバック用に原稿を設定して無料で出版できます。電子出版の原稿を印刷用に作り変えるだけで、手軽に紙の本が出版できるのです。ペーパーバックとして出版した際のロイヤリティは60%で、そこからペーパーバックの印刷コスト、Amazonの手数料を引いた価格が収益として受け取れます。印刷コストがかかるため、電子書籍に比べると1冊ごとの収益は価格の5%~高くても20%程度になるため、その目的を考えて具体的にシミュレーションすることが大事です。
では次に、ペーパーバックのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
ぺーパーバックのメリット・デメリット なぜペーパーバックが必要なのか?
お伝えしたように電子出版だけだと、このようなデメリットがあります。
・本を電子書籍で読むことに慣れない、抵抗がある、デジタルツールが苦手な人がいる
・知人にプレゼントしたいが電子書籍だと贈与や貸与ができない
・ お店やセミナーなど対面で販売できない
・名刺がわりに渡したいが電子書籍だと渡せない
このようなことから、ペーパーバックの販売も考えたいところです。次に、購入者・著者それぞれのペーパーバックのメリット、デメリットも確認しておきましょう。
◆購入者・著者のメリット
・絶版や廃版がない為、半永久的に購入できる
・1冊からでも出版可能
・通常印刷に比べ、出版にかかる費用が低コスト
・改訂版を低コストで再販可能
・在庫負担がなく、保管費用も必要なし
・ページ色はカラーも対応可
◆購入者・著者のデメリット
・電子書籍に比べて印税の収益が少ない(印刷コストを引くと収益は5%~多くて20%)
・表紙カバーが無いため体裁が若干見劣りする
・ハードカバーと比べると傷みやすい
・電子書籍より高い価格設定が必要(印刷コストを考慮するため)
・Amazon以外の書店では販売できない(手売りは可能)
・電子書籍とは違って内容が固定されるのでデザインセンスが必要
購入者側のメリットは、これまでの紙の本と同様に気軽に購入できて、絶版や廃版がないため、半永久的に購入できることですが、ハードカバーの本と比べると傷みやすく、印刷コストが上乗せされるため電子書籍に比べると高い価格で購入することになります。購入者はコストの意識がありませんので、Amazonの販売サイトで、同じ本の価格を見比べると違和感があるかもしれません。
著者側のメリットは、ペーパーバックがあると誰かに贈ることができ、電子書籍を利用していない人にもシェアしてもらえることや、対面での販売も可能になります。また通常の印刷に比べると紙での出版コストが低コストで、本の内容を改定しても同じく低コストで販売できます。在庫の負担がなく、1冊から販売できて管理場所の心配をすることもありません。
Amazonで検索されても、電子書籍しか対応がなければ読めない人もいますが、ペーパーバックの購入もできれば、紙の本に慣れている人、デジタルの操作が苦手な人、電子書籍だと読みにくいという人にも本の内容を伝えることができます。
ペーパーバックの用途・活用法
セミナーや資格取得のテキストとして、ペーパーバックの本を配布することもできますし、お店やサロン、イベントで手軽に販売することも可能です。Amazonだけでなく、人の目に触れやすく読んでもらいやすくなります。名刺がわりに、またセミナーで、ビジネス紹介のパンフレットとして著書を渡してサービスを伝えることができます。
絵本や詩集、写真が中心の本など、レイアウトにこだわりたい場合は、固定して表示されるのでおすすめです。
また著者は、出版本を「著者用コピー」として印刷コストと送料のみの原価で購入して仕入れることができますので、対面での販売で収益を得ることも可能です。
ペーパーバックの用途はいろいろありますので、ペーパーバックを作成する際は、印税による収益だけでなく、その目的を明確にする必要があります。目的によってカラーなのか、モノクロなのか、サイズはどうするか仕様を考えることができます。
Amazon kindleペーパーバックの出版方法
ペーパーバックの出版準備として、まずは下記のことが必要です。
・出版本の価格イメージとロイヤリティを確認する
・Amazonヘルプページの計算ツールでコストを確認できる
・最初に概算で価格イメージ、ロイヤリティを確認する
・カラーかモノクロかを選択
・用紙を選ぶ
・ページ数を決める
・価格を決める
・サイズ
Amazon kindleペーパーバック制作の流れ
ペーパーバック制作の流れは、次の手順です。
1.サイズを決める
2.Kindle用の原稿をペーパーバック仕様にする
3.表計算ツールからテンプレートをダウンロードする
4.Kindle用の表紙をペーパーバックの表紙にする
5.印刷コストの最終確認、価格決定
6.原稿・表紙を入稿して出版を開始
このような手順に沿って作成していきますが、初めてだと確認しながらの作業になるのでわかりにくいかもしれません。
ペーパーバックの作業代行の相場は?
パーパーバックを簡単に作成するために、作業の代行を業者に依頼すると相場はどれくらいか調べてみました。例えば、「納期1か月で、電子書籍の原稿あり」の場合は、55,000円~88,000円が一般的な相場のようです(2022年9月現在、筆者調べ)。
この金額が著書1冊ごとに、毎回必要になってきます。このことから、少し複雑でも自分でペーパーバックの出版方法を覚えた方が、圧倒的にコストメリットがあります。最初に基本的な作成方法を学べば、2冊目からは手順に沿って自分で作成することができるようになります。
私たち、「VM出版スクール」では、ペーパーバックの作成方法も講義をご用意しています。それでも面倒だと思う方には、通称「丸投げ」というお任せプランもありますので、お気軽にお問合せください。
→ VM出版スクールにペーパーバック作業を問合せする(お問合せ欄に、「ペーパーバック作業について」と記入ください)
まとめ
出版できる原稿が用意できたら、電子書籍のメリット、パーパーバックのメリット両方を活用して集客やブランディングにぜひ活用してください。
Amazonでの販売は、何冊も出版することで、過去に出版した本も相乗効果で売れる傾向があります。そしてペーパーバックの「著者コピー」のサービスは、読者層を広げて伝えたいこと、ビジネスのサービスを広く拡散することに役立ちます。
まずは出版用の原稿を作成しましょう。読まれる企画を立てたいときは「VM出版スクール」への参加もおすすめします。一人で悩むよりも、スクール生から客観的な意見やアドバイス、ヒントをもらえますし、担当コーチとのマンツーマンセッション(1on1)で不明点を質問することもできます。もちろん電子書籍出版・ペーパーバック出版の複雑な出版手続きのサポートプランもあります。
あなたも「VM出版スクール」で一緒にどんどん本を出していきませんか?
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