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【本屋大賞】とはどんな賞? 芥川賞や直木賞とはどう違う?
【本屋大賞】という言葉。あなたは知っていますか? ニュースなどで聞かれてご存知の方もおられるかも知れませんね。 その【本屋大賞】の季節が今年もやってきました!
そこで私たちの『VM出版スクール』のマーケティング&セールスチームであり、元マガジンハウス書籍編集部の副編集長、天田憲明(あまだのりあき)さんに本屋大賞について聞いてみました。
天田さん:
「本屋大賞というのは、いわゆる『全国の書店員さんたちが売りたい本』というキャッチフレーズのもとに開催されている賞です。たとえば芥川賞や直木賞は、あくまでも作家の先生達が選んだ本であって、必ずしも書店員さんたちが売りたい本とは傾向が違う場合があります。今回の芥川賞・直木賞の本というのは結果としては売れていますが、芥川賞・直木賞、特に芥川賞は賞を取っても必ずしも売れるとは限りません。選考も、『今回は歴史物でいこう』とか、『今回は若い女性作家でいこう』とか、『今回は在日の中国人でいこう』など先生達の選考の傾向というものがあるので、決してフラットなものではないというのがわかります。
それに対して本屋大賞というのは、書店員さん達が「いま一番売りたい小説は何か」というのをモットーに、あくまでも自分たちが気持ちを込めて売りたい本を選ぶというコンセプトで選んでいる賞です。2022年度の本屋大賞は全国の483の書店、627人の書店員さんの投票によって選ばれているそうです。結果発表は2022年4月6日。2次投票の対象として、10冊の本が最終選考として残っています」
天田さん、とてもわかりやすいご説明をありがとうございました。VM出版スクールでは毎月、天田さん主催のオンラインイベントを行っています。
・書店の「売れている本」から社会の最新動向を知る(マガジンハウス書籍編集部の元副編集長、天田憲明が解説)
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本屋大賞には、書店員さんの熱いエールが込められている
本屋大賞は書店員さん達がいま一番売りたい小説は何かというのをモットーに、あくまでも「自分たちが気持ちを込めて売りたい本を選ぶ」というコンセプトで選んでいる賞とのことですが、2022年の詳細を調べてみました。
本屋大賞が設立されたのは、年々縮小傾向にある出版市場を活性化するために、本と読者をよく知る書店員がその間に立って、本をもっと知ってもらうための情報発信をし、ボトムアップで盛り上げていこうと発案されました。
書店員有志で組織する本屋大賞実行委員会で運営されていて、書店員の投票だけで選ばれる賞です。 過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選んで投票します。
選考期間は、2021年12月〜2022年4月で、 「本屋大賞」「翻訳小説部門」「発掘部門」の各賞が選考されます。 本屋大賞の選考には、全国書店員の皆さんがリスペクトする本と、「お客様にも勧めて何かを感じて欲しい」という読者の皆さんのどちらにも、熱いエールが込められています。
2022年2月28日(月)に二次投票が締め切られており、2022年4月6日(水)大賞作品、発掘部門、翻訳小説部門が発表されます。
※出典:本屋大賞のHPより(最終閲覧日:2022年3月15日)
本屋大賞にあなたが選ぶのはどの作品?
本屋大賞候補作の集計は、一次投票を昨年12月1日より本年1月3日まで行い、全国の483書店、書店員627人の投票で上位10作品が「2022年本屋大賞」ノミネート作品として決定しています。
2022年本屋大賞ノミネート10作 (作品名五十音順)
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- 『赤と青とエスキース』青山美智子(著)PHP研究所
- 『硝子の塔の殺人』知念実希人(著)実業之日本社
- 『黒牢城』米澤穂信(著)KADOKAWA
- 『残月記』小田雅久仁(著)双葉社
- 『スモールワールズ』一穂ミチ(著)講談社
- 『正欲』朝井リョウ(著)新潮社
- 『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬(著)早川書房
- 『星を掬う』町田そのこ(著)中央公論新社
- 『夜が明ける』西加奈子(著)新潮社
- 『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成(著)KADOKAWA
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※出典:本屋大賞HPより(最終閲覧日:2022年3月15日)
それぞれの作品の紹介です。
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- 「2度読み必至な、仕掛けに満ちた傑作連作短篇。」
- 「散りばめられた伏線。読者への挑戦。名探偵が謎を追うミステリー小説。」
- 「歴史小説の王道。」
- 「著者の底知れぬ想像力が構築した異世界に入り込んだら、もう現実には戻れない。」
- 「誰かの悲しみに寄り添いながら、喜怒哀楽を描く。」
- 「平穏な日常が突如として奪われた。独ソ戦が激化して、家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵の姿に現在のウクライナ情勢が重なり、志願する女性兵にも重なる。」
- 「母に捨てられた女性がふとした縁で記憶と全く違う母の姿を見る小説。」
- 「思春期から33歳になるまでの男性二人の友情と成長。一生懸命生きているだけなのに、辛く理不尽な出来事に遭遇する。人間の哀しさや弱さ、そして再生して生きていくことの奇跡を描くストーリー。」
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一部、紹介文から引用してご紹介しましたが、書いているうちにどれも読んでみたいような、それどころか、すでに本の世界に引き込まれたような感覚があります。謎解きに心を奪われるミステリーあり、人の心のひだに触れる物語あり、生と死、理不尽な境遇に立ち向かって再生する強さに共感できるストーリーあり。さまざまなテーマでそれぞれの著者が語りかける熱いメッセージを感じてみてください。
そしてあなたが選ぶ本屋大賞はどの作品でしょうか?
各ノミネート作の詳細はこちらのサイトを参考にさせていただきました。
※出典:『ダ・ヴィンチ』「気になる大賞はどの作品に!?「2022年本屋大賞」ノミネート10作品発表!」2022年1月20日
あなたも【本屋大賞】にチャレンジできる !
本を出版することは特別なことに思われるかも知れません。特にこの本屋大賞にノミネートされている作品は、小説なので長編の作品もあります。
私たち『VM出版スクール』がおすすめしているAmazon・Kindleでの電子書籍出版は、主に電子書籍の売れ筋と言われる1万~2万文字の本を出版できるメソッドを学びます。
原稿の作り方、本の構成や目次立てを学び、読者に伝わりやすい内容で購入されやすい本の出版方法を学ぶことができます。出版に関するマーケティングも学び、ただ本を出すだけでなく収益化する方法も習得できます。
1冊だけでなく、何冊か出版するうちに自分が伝えたいこと、世の中のニーズ、タイムリーな情報を自分の言葉で本にすることができるので、伏線を散りばめたり、メッセージを込めたりすることもチャレンジしてみてください。
誰にでも、自分だけの体験、経験があります。
これまで生きてきて学んだことがあるのです。
才能があるから書けるのではなくて、自分の思いを伝える最初の一歩から全ては始まります。そして才能は経験によって磨かれ、発揮されます。何かを成し遂げる想いこそが才能です。
あなたの知見が誰かのためになる!
あなたもぜひ【本屋大賞】にチャレンジしてください!
※写真:PIXTA / 本文とは直接関係ありません
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(マガジンハウス書籍編集部の元副編集長、天田憲明が解説)